まぶたの病気

眼瞼腫瘍

がんけんしゅよう / eyelid tumor

まぶたにできる「できもの」の総称です。多くは良性ですが、なかには悪性(がん)のものもあり、ものもらいとよく似て見えることがあります。「なかなか治らない」「くり返す」できものは、一度きちんと調べることが大切です。

図 1

まぶたのふちにできたしこり

下まぶたのふちに盛り上がったしこりができ、その一部がくぼんでただれている図。しこりのある部分ではまつげが抜けている。
下まぶたのふちにできたしこりです。一部がくぼんでただれる、その部分のまつげが抜けるといった変化は、悪性のものでみられることがある注意したいサインです。ただし見た目だけで良性か悪性かを決めることはできないため、組織を採って顕微鏡で調べる検査(生検)で確かめます。

こんな症状に注意

  • まぶたのしこり・盛り上がり
  • なかなか治らない、だんだん大きくなる
  • その部分のまつげが抜ける
  • 出血しやすい、ただれる、かさぶたができる
  • まぶたの形やふちが変わってきた
  • 「ものもらい」を同じ場所でくり返す

どんな病気?

まぶたには皮膚・筋肉・脂を出す腺・まつげの毛根など、さまざまな組織があり、それぞれから腫瘍ができます。

主な良性のもの

  • 母斑(ほくろ)、脂漏性角化症(年齢によるいぼ)
  • 乳頭腫、粉瘤(ふんりゅう)
  • 霰粒腫(さんりゅうしゅ):脂の腺が詰まってできるしこり。腫瘍ではなく炎症によるものですが、しこりとして触れます。
  • 汗を出す腺からできる腫瘍 など

主な悪性のもの

  • 基底細胞癌:まぶたの悪性腫瘍で最も多く、下まぶたにできやすい。ゆっくり大きくなり、一部がくぼんで潰瘍になることがあります。
  • 脂腺癌:霰粒腫とよく似ており、見分けが難しいことがあります。「治らない霰粒腫」に注意が必要です。
  • 扁平上皮癌、悪性黒色腫(メラノーマ)など。

悪性を疑うサイン

  • しこりが硬い、周囲との境目がはっきりしない
  • 一部がくぼむ・潰瘍になる、出血をくり返す
  • その部分のまつげが抜けている
  • まぶたのふちの形が崩れてきた
  • だんだん大きくなる、同じ場所で霰粒腫をくり返す

こうしたサインがあっても必ず悪性とは限りませんが、組織を調べて確かめることが大切です。ご高齢の方や、日光をよく浴びてきた方でリスクが高まるとされています。

検査・診断

  • 視診・触診、細隙灯顕微鏡検査:形・硬さ・広がりを詳しく観察します。
  • 生検(組織検査):一部または全部を採取して顕微鏡で調べます。確定診断にはこの検査が必要です。
  • 画像検査(CT・MRI):悪性が疑われる場合、深い部分への広がりを調べます。
  • リンパ節の評価:必要に応じて行います。

治療

良性の場合

経過観察
大きくならず、見た目や機能に問題がなければ、そのまま様子をみることもあります。
切除
大きくなる、見た目が気になる、まばたきや視野のさまたげになるといった場合に手術で取り除きます。
霰粒腫の治療
小さいものは自然に吸収されることもあります。改善しない場合は、薬による治療や、切開して内容を取り出す処置を行います。くり返す場合や高齢の方では、脂腺癌との区別のために組織検査を行うことがあります。

悪性の場合

手術による切除
腫瘍とその周囲を含めて切除します。取り残しがないよう、広い範囲で切除することがあります。
まぶたの再建
まぶたは目を閉じる・涙を保つという大切な役割があるため、切除後は形と機能を回復させる再建手術が必要になることが多くあります。切除の範囲によって方法を選びます。
放射線治療・薬物療法
手術が難しい場合や、進行している場合に検討されます。
治療後の経過観察
再発がないか、定期的に確認していきます。

早く見つかれば負担も小さくなります

まぶたの悪性腫瘍は、早期に見つかれば切除の範囲が小さくてすみ、まぶたの機能や見た目への影響も抑えられます。「小さいから」「痛くないから」と様子をみすぎないことが大切です。

日常生活・予防

  • 紫外線対策:帽子やサングラスを活用しましょう。
  • 治らないできものを放置しない:数週間たっても改善しない場合は受診を。
  • いじらない:刺激をくり返すと炎症や出血の原因になります。
  • 鏡でまぶたのふちの形やまつげの状態を、ときどき確認しましょう。

早めに眼科へ

こんなときは受診を

  • まぶたのできものが数週間たっても治らない
  • だんだん大きくなる、出血する、ただれる
  • できものの部分のまつげが抜けた
  • 同じ場所でものもらいをくり返す
最終更新
2026年8月

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